ワーキングホリデー(Working Holiday)とは?
ワーキング・ホリデー制度とは、二つの国・地域間の取り決め等に基づき、各々の国・地域が、相手国・地域の青少年に対して自国・地域の文化や一般的な生活様式を理解する機会を提供するため、自国・地域において一定期間の休暇を過ごす活動とその間の滞在費を補うための就労を相互に認める制度です。
出典:一般社団法人日本・ワーキングホリデー協会 ワーキングホリデー制度について
ざっくりといえば、海外に住んでその国の文化に触れつつ、資金調達のために仕事に就けるVISA(査証)を取得できる制度。
海外ならばどこでもVISAが発行されるわけではなく、互いにワーキングホリデー協定を結んでいる「協定国」のみ。
現時点で日本には20以上の協定国がありますが、英語圏であるオーストラリア・カナダ・ニュージーランド・イギリスあたりが人気!
ちなみに、EU・アジア・南米の英語圏以外の地域にも協定国はあります。
VISAの条件はシンプルで、以下の場合がほとんど。
・有効期間:1年
・年齢制限:30歳以下 ※申請時の制限(VISA発行後、1年以内に出国すればOK)
年間の受け入れ人数を制限している国もあり、その場合は抽選の上、当選者にのみビザを申請する権利が与えられます。ちなみに、人気国のカナダ、イギリスでは毎年抽選が行われています。
VISAの条件は国によって少しずつ異なるため、一度確認することをおすすめします。
私のワーホリ体験談 in Australia
ワーホリ制度を知ったのは27歳の時、新卒で入社した会社で5年近い年月が経ち、何か新しい環境に身を置きたいと考えていた頃でした。
元々、海外旅行好き。大学2年生の時にフランスへ行ったことをきっかけに海外旅行にハマり、社会人になってから回数は減ったものの、海外へ行く機会は少なからずありました。
しかしながら英語力は低く、「英語が話せたらもっと旅を楽しめるだろうな。」と思うこともしばしば。
また、海外居住に興味があったこともあり、一念発起!仕事を辞めてワーホリ行きを決意しました。
渡航先はどう決めた?
何となく始めから、オーストラリアかカナダが良いとは漠然と考えていましたが、詳しく調べていく内にカナダの桁違いの寒さを実感したのでオーストラリアに決定。
ちなみに、オーストラリアの面積は世界第6位!都市も複数ありますが、
シドニーは都会過ぎ。
ブリスベンは少し田舎。
ケアンズ、ゴールドコーストは観光地過ぎ。
パースは物価が高過ぎ。
その中で、何事にも ”過ぎ” なくてちょうど良かったのがメルボルン。
正直なところ、ただそれだけの理由で行き先をメルボルンに決めたので、存在こそ知っていたもののどんな街なのかはさっぱりでした。(結果的にはとても気に入り、丸1年間滞在することになるのですが。)
ちなみに、ワーホリ期間中の国内移動は自由!
実際に住んでみないとわからないこともあると思うので、一通り調べた後は消去法やインスピレーションで都市を選ぶのもありかと思います。
1年間のスケジュールについて
渡航前に漠然と頭の中にあったのは、以下のようなスケジュール。
2016年4月 出国
↓
<3ヶ月> 語学学校(ホームステイ)
↓
2016年7月
↓
<8ヶ月> 仕事(一人暮らし)
↓
2017年3月
↓
<1ヶ月> 国内旅行
↓
2017年4月 帰国
オーストラリアのワーホリは、就労のみならず、最長4ヶ月の就学も可能なので、入国早々から仕事を探せるほどの英語力がなかった私は、まずは語学学校へ通い、同時にホームステイを行うことにしました。
そして、オーストラリアのもうひとつの特徴は、最長2年滞在可能なこと。(2019年7月より、最長3年滞在可能となりました。)
正確には、滞在1年目に3ヶ月間ファーム(農場や工場など)で働くという条件を満たせば、2回目のVISAを申請する権利を得ることができます。
「1年×2回」のVISAが発行されることになるので、最初の1年を使い終えて一度日本に戻り、しばらくしてから2年目を開始することも可能。
文字通り「3ヶ月間働く」必要があるので、休日や天候などを考慮すると4ヶ月近くはファーム滞在に時間を費やすことになります。
また、農作物の収穫時期ではない冬場は仕事を見つけるまでに時間がかかることも多々あるので、2年目の滞在を考えているのであれば、余裕を持ったスケジューリングが大切です。
有料エージェントの利用は必要?
渡航前に手配が必要:
・VISA申請
・海外旅行保険の加入(1年)
・航空券購入(片道のみ)
・語学学校の手配(3ヶ月)
・ホームステイ先の手配(3ヶ月)
語学学校やホームステイの手配は人によりますが、これらはワーホリを始める前に必要となるもの。
私は有料エージェント(WISH)を利用して、これらをすべて手配してもらいましたが、正直なところ、無料エージェントの利用でもまったく問題なかったように思います。
ワーホリや留学を手助けしてくれるエージェントには「有料」と「無料」のものが存在しますが、その違いはおもに日本にオフィスがあるかないか。
オフィスが現地にあってもスタッフは日本人なので、日本語でのオンライン対応が可能。有料エージェントと同様に、渡航前に必要なものも手配してもらえます。
また、有料エージェントのメリットを強いて挙げるならば、サポート体制やサービス(簡単な英会話教室など)の良さですが、同時に発生するのは高額なエージェント利用料。
実際にあれこれ不安になるのは渡航前で、いざワーホリが始まってしまえば割と何とかなってしまうものなので、結局のところ、無料である程度のサポートを期待できる無料エージェントの利用が賢明に思います。
ワーホリを終えての結論:
有料でも無料でも、必要なものは手配可能。
もう一度同じ条件でワーホリをするならば、私は無料エージェントを利用します。
生活費の管理について
ワーホリ始めに語学学校に通ったり、仕事を見つけるまでの生活費は、渡航前に用意しておく必要があります。
日常の買い物などはクレジットカードで事足りますが、特にシェアハウスの家賃などは現金払いが多いので、ある程度まとまった金額の現地通貨が必要となるのです。
ただ、現地通貨をどのように持ち込むのか、そして管理するのかはとても悩ましいところ。
キャッシュパスポート
私が有料エージェントから勧められたのは、「キャッシュパスポート(Cash Passport)」と呼ばれるプリペイド式カード。その仕組みとは、
キャッシュパスポートを作成
↓
指定口座に【日本円】を送金
→ 当日のレートで【現地通貨】に換算
→ キャッシュパスポートに入金される
↓
現地で利用
① 海外対応ATMで【現地通貨】を引き出し
② Master Cardの加盟店での支払い
実際に使用して気になったのは、手数料が地味にもったいないこと。
❶【日本円】入金時 → 通貨換算・為替手数料
❷【現地通貨】引出時 → 海外ATM利用手数料
❸【現地通貨】引出時 → キャッシュパスポート利用手数料
為替手数料やATM利用手数料は、外貨を引き出す際には基本的にかかるものなので仕方がないにしても、キャッシュパスポート独自の利用手数料はなかなか無駄な出費になります。
またプリペイド式なので、最終的に現地通貨が余った場合は日本円へ戻すために再度手数料がかかることもデメリット。
国際キャッシュカード
キャッシュパスポートのデメリットを考えると、「国際キャッシュカード」と呼ばれるデビットカードの方が断然便利!その仕組みとは、
国際キャッシュカードを作成(=口座開設)
↓
口座に【日本円】を入金
↓
現地で利用
① 海外対応ATMで【現地通貨】を引き出し
→ 当日のレートで【日本円】に換算
→ 口座から換算額が引き落とされる
② カードブランドの加盟店で支払い
必要なのは以下の手数料で、カード発行手数料や口座維持費も無料。
❶【現地通貨】引出時 → 通貨換算・為替手数料
❷【現地通貨】引出時 → 海外ATM利用手数料
普通の銀行口座のように日本円のまま預金しておき、現地通貨の引き出し時にその時点のレートに換算された金額が引き落とされる仕組みなので、帰国後に日本円に戻す必要がないのもメリット。
多くの金融機関で発行しているカードですが、私はソニー銀行の「Sony Bank WALLET」を持っており、海外旅行時に利用しています。
更なるメリットは、米ドル・ユーロをはじめとした世界の主要通貨も預金できる点!
使うことが確実ならば、円高時に外貨に換えて預金しておくことでより賢く現地通貨を取得可能です。
ちなみに、カードについては以下でも説明しています。
現地の銀行口座に送金
これは聞いた話ですが、エージェントによっては現地の銀行口座開設後に日本円を送金してくれるサービスもあるようです。その流れとは、
日本出国前:
エージェントの指定口座に【日本円】を送金
↓
現地入国後:
銀行口座を開設
↓
エージェントが口座に【日本円】を送金
→ 当日のレートで【現地通貨】に換算
→ 口座に入金される
↓
現地で利用
① 銀行のATMで【現地通貨】を引き出し
②カードブランドの加盟店での支払い
この方法であれば、必要なのは以下の手数料のみ。
❶【日本円 → 現地通貨】送金時 → 送金手数料
❷【日本円 → 現地通貨】送金時 → 通貨換算・為替手数料
ちなみに、オーストラリアの銀行は日本では考えられないほどの高金利!
日本では半年に一度ですが、オーストラリアでは毎月末に利子がつき、生活費を預金しておくだけで少しずつ残高が増えるので、”銀行に預け入れする本来のメリット” が得られます。
この点では、国際キャッシュカードよりも効率的な生活費の管理方法ですが、噂程度に聞いたサービスなので実際に行っているエージェントはおそらくわずか。
ただ、日本にいる家族の協力を得られるのであれば不可能な方法ではないかと思います。
ワーホリを終えての結論:
キャッシュパスポートは無駄な手数料が多いのが正直なところ。
もう一度同じ条件でワーホリをするならば、私は国際キャッシュカードを利用します。