
まず初めに!今回の旅について
【ルート紹介】ウザいのになぜか心惹かれる国!1ヶ月半でインドを女子ひとり旅_#88
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【アグラ】インドを代表する世界遺産「タージ・マハル」は”世界で最も美しい墓”_#92
【移動】アグラ → バラナシ
アグラ(Agra)
Shyam Palace(宿泊先)
↓ Uber(約10分/R100)
18:20発
アグラ・フォート駅(AF)
↓ 列車(12時間) Map参照↓
・運賃:Rs1,350(2Aクラス)
バラナシ(Varanasi)
6:35着 →7:30着(1h遅れ)
バラナシ・ジャンクション駅(BSB)
↓ トゥクトゥク(約45分/R500)
DEE YOGA HOUSE(宿泊先)
NOTE
・列車、宿泊先は「旅行代理店」にて予約
ウッタル・プラデーシュ州(Uttar Pradesh)に位置するバラナシは、 ”ヒンドゥー教の聖地” として知られるガンジス川沿いの町。
ヒマラヤ山脈から流れ出て北インドを横断し、ベンガル湾へと注ぐガンジス川流域には複数の聖地がありますが、バラナシには最大の沐浴場があるためヒンドゥー教徒が絶えず沐浴に訪れます。
いかにもインドらしいカオスな雰囲気を纏い、どこか生と死を傍らに感じるようなバラナシには、言葉にするのは難しいけれど、旅人の心を惹きつけて止まない何か不思議な魅力があります。
そんなバラナシの観光に関しては基本徒歩。Uberは利用できないので、鉄道駅〜町中心部の移動は料金交渉の上でトゥクトゥクに乗りましょう。
バラナシの気候は?
<今回の旅(2025年2月)時点では...>
朝晩は肌寒いのでジャケットが必要ですが、日中は気温が上がるのでTシャツでOK。寒すぎず暑すぎず観光には良い時期。
<2月のバラナシ>
平均最高気温:27℃
平均最低気温:13℃
降水量:約10mm
<2月の東京>
平均最高気温:10℃
平均最低気温:4℃
降水量:約65mm
ヒンドゥー教について
インド国民の約80%が信仰するヒンドゥー教は、神への信仰とともに輪廻や解脱の概念、カースト制を特徴とする宗教。
ヒンドゥー教の根幹には輪廻があり、信仰心と業(カルマ)によって来世の宿命(カーストの位階)は決まるとされており、また、解脱に達しない限りは永遠に生まれ変わるため、解脱=最高の幸福と考えられています。
カーストには4つのヴァルナ(身分)が存在します。
①バラモン(司祭)
②クシャトリア(王族)
③ヴァイシャ(商人)
④シュードラ(労働者)
シュードラのさらに下には、カースト制の外に位置づけられて ”触れてはならない存在” として扱われるダリット(不可触民)と呼ばれる人々がおり、インド国民の約1億人がこれに該当します。
また、ヴァルナの下層にはジャーティ(生まれ)と呼ばれる ”伝統的な職業や地域、血縁などによって区分される社会集団” が存在し、おもに男性はその職業を世襲します。(農業に限り、すべてのジャーティに開放されます)
ジャーティ間には浄・不浄の概念に基づく序列があり、上位のジャーティは下位のジャーティとの接触によって「汚れる」と考えるため、異なるジャーティとの結婚、水や食料のやり取り、飲食をともにすることへの制限などもあります。
そんなジャーティは ”生まれ” によって決定するものであり、一生変更することはできません。
こうした風習は都市部を離れた地域ではいまだ深く根付いていますが、すべてのヒンドゥー教徒が忠実に守っているわけでもありません。
例えば、レストランでの食事や、カースト制の浸透後に生まれたIT産業など、近代化とともに必ずしもルールに従えない場面は増えており、特に都市部では自身のジャーティすら知らない若者も多く、カーストへの意識は薄れつつあるそうです。
ヒンドゥー教の神々
神道における ”八百万の神” の如く、ヒンドゥー教にも多くの神々が存在しますが、三神一体(トリムルティ)と呼ばれる概念によって、以下の三神が最高神とされています。
・ ”創造神” ブラフマー(Brahmā)
・ ”維持神” ヴィシュヌ(Viṣṇu)
・ ”破壊神” シヴァ(Śiva)
「世界は発生と消滅を繰り返す」と考えられており、ある時点で世界は ”創造” され、 ”維持” され、やがて ”破壊” されるのですが、破壊はネガティブな意味ではなく次なる創造のためとされています。
このように、創造・維持・破壊の3つの側面をひとつとして捉えることから、三神は同一であり、同等(三神一体)とされるのです。
ただ、ヒンドゥー教徒は三神を同等には崇めておらず、実際には宗派が存在し、(ブラフマーの信仰は少ないため)ヴィシュヌ派とシヴァ派の信者に二分しています。
それから、その他の有名な神といえば以下。ヒンドゥー教寺院では至るところに彫刻などが見られるので、覚えておくと寺院巡りが有意義なものになります。
・クリシュナ(Kṛṣṇa)
→ヴィシュヌの化身 ”絶世の美男子”
叙事詩「マハーバーラタ」の英雄
・ラーマ(Rāma)
→ヴィシュヌの化身
叙事詩「ラーマーヤナ」の英雄
・ラクシュミ(Lakṣmī)
→ヴィシュヌの妻 ”幸運の女神”
・ガネーシャ(Gaṇeśa)
→シヴァの息子 ”商売繁盛の象の神様”
・パールヴァティー(Pārvatī)
→シヴァの妻、ガネーシャの母
・ハヌマーン(Hanumān)
→叙事詩「ラーマーヤナ」の猿の神様



ガンジス川

ヒンディー語ではガンガー(Ganga)と呼ばれるガンジス川は、川そのものがヒンドゥー教の女神「ガンガー」として神格化された存在で、聖なる川として崇められています。
そんなガンジス川沿いのバラナシには最大の沐浴場があり、大勢のヒンドゥー教徒が沐浴に訪れます。その理由は「ガンガーで沐浴すれば、すべての罪が清められる」というヒンドゥー教の教えによるもので、ただ単純に体を洗っているわけではありません。
また、ヒンドゥー教徒は墓を持たず、死後は火葬して遺灰を川に流す習慣があります。特に「遺灰をガンガーに流せば、輪廻から解脱できる」と信じられていることから、余命わずかな人がバラナシにやって来て、死を待ちながら留まるケースは多くあるそうです。
インドの奇祭「クンブ・メーラ」
クンブ・メーラ(Kumbh Mela)とは無形文化遺産にも登録されるヒンドゥー教の宗教行事で、3年に一度、4都市(プラヤグラージ、ハリドワール、ナシク、ウッジャイン)で順に開催されます。
この4都市で開催される理由は、インド神話で語られる天地創造「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」の後、ヴィシュヌ神が不死の妙薬(アムリタ)の入った水瓶(クンブ)を運ぶ際に、その雫をこれらの地に落としたと信じられているため。
開催期間は木星・太陽・月の配置によって決定し、1ヶ月半ほど続きます。
その期間中にヒンドゥー教徒は開催地で沐浴を行うのですが、この期間の1回の沐浴は、通常の1,000回分に相当するらしく、いわばボーナスポイント付与期間。さらに、占星術による特別な沐浴日が数日設けられ、この日に沐浴すれば解脱できるとさえ信じられています。
インドには、解脱のために世俗を捨てて瞑想や苦行をするサドゥー(Sadhu)と呼ばれる修行者が全土に存在します。その中でも、髪も髭も剃らずにふんどしや全裸姿で白い灰(Vibhuti)を体中に塗ったナーガ・サドゥー(Naga Sadhu)は異様な風貌。そんな彼らもまた、クンブ・メーラに姿を現します。
144年に一度の「マハー・クンブ・メーラ」
クンブ・メーラは3年毎に開催されますが、周期によって特別開催となり、全部で4種類が存在します。
| 名称 | 周期 | 開催地 | 意味 |
|---|---|---|---|
| クンブ・メーラ | 3年 | ・プラヤグラージ ・ハリドワール ・ナシク ・ウッジャイン | |
| アーダ(Ardha) ・クンブ・メーラ | 6年 | ・プラヤグラージ ・ハリドワール | Ardha=半分 |
| プルナ(Purna) ・クンブ・メーラ | 12年 | ・プラヤグラージ ・ハリドワール ・ナシク ・ウッジャイン | Purna=完全 |
| マハー(Maha) ・クンブ・メーラ | 144年 | ・プラヤグラージ | Maha=偉大 |
2025年の開催期間は1月13日〜2月26日で、開催地はプラヤグラージ。そしてなんと!天体の配置が非常に珍しく144年に一度のみ開催されるマハー・クンブ・メーラに相当する年だったのです。
プラヤグラージとは都市名で、実際の沐浴場はサンガム(Sangam)と呼ばれるヒンドゥー教の聖地。ガンジス川、ヤムナー川、インド神話上のサラスヴァティー川の3つの合流地点とされる場所です。
期間中に約6億人(特別な沐浴日には1日で約5,000万人)が訪れるのですが、実はサンガムはバラナシから車や列車で2時間程度の距離にあり、ついでにバラナシも巡礼する人が大勢いたのです。
私がバラナシに滞在したのはマハー・クンブ・メーラが絶賛開催中の2月16日〜19日。町の中心部は大混雑で渋滞もひどく、タクシーはおろかトゥクトゥクも容易には捕まらないため、徒歩移動が基本。
また、ガンジス川へと続く道には祭りさながら人が密集しており、一度入り込んでしまうと人の流れに従わざるを得ないのでしばらくは出てこられません。
「バラナシ近くでクンブ・メーラが開催されている」という情報はインド到着早々に入手していましたが、まさかここまで影響が及んでいるとは想像すらしていませんでした。
ガートとは?
バラナシの南から北へ緩やかな弧を描くように流れるガンジス川西岸の約6kmには、84のガートが連なります。
ガート(Ghat)とは水辺に設置された階段のことで、ここがいわゆる沐浴場。階段状のため、雨季と乾季で数mに及ぶ水位変動の影響を受けずに常時入水が可能で、また、船着場や洗濯場としても利用されています。

ガートの背後に見られるのは宮殿や寺院で、ガートを含めたこれらの多くはインド各地の貴族によって建設されたもの。
バラナシはイスラム勢力による破壊を度々受けており、イスラム教を優遇したことで知られるムガル帝国第6代皇帝「アウラングゼーブ」の時代には多くのヒンドゥー教寺院が破壊されてしまいました。
その後、ムガル帝国の弱体化と同時に勢力をつけたヒンドゥー教のマラーター王国がバラナシの立て直しに尽力し、有名なガートの多くを再建しました。

アッシー・ガート

アッシー(Assi)・ガートは、84の中で最も上流(南端)に位置するガート。毎日の朝晩にはプジャーと呼ばれる礼拝も行われます。
一見するとビーチのようで、敷地が広いためにそこまで混み合った印象は受けません。この近辺に宿泊しましたが、喧騒から離れてゆっくりとガンジス川を眺めるのにおすすめの場所。
また、ここを起点として北に向かって川沿いを歩けば、端から順にガートを見学できます。町の中心部にある「ダシャーシュワメード・ガート」までは、写真を撮りつつゆっくりと歩いても1時間程度。
ダシャーシュワメード・ガート

ダシャーシュワメード(Dashashwamedh)・ガートは、84の中心に位置する最も賑わうガートで毎晩行われるプジャーも有名です。
写真を見るとマハー・クンブ・メーラの影響による混雑具合がわかりますが、早朝7:30でこの状態。通常はここまで混雑していません。
また、ガートから町の中心に向かって伸びる「ダシャーシュワメード・ガート・ロード」には、1km以上にも及ぶ長蛇の列を作って何かに並ぶヒンドゥー教徒の姿が。
その先にあったのは、金箔で覆われていることから ”ゴールデン・テンプル” とも呼ばれるヴィシュワナース寺院(Vishwanath Temple)で、シヴァ神の御神体(ごしんたい)が祀られており、ヒンドゥー教徒の重要な巡礼地となっているそうです。
マニカルニカー・ガート

マニカルニカー(Manikarnika)・ガートは、84の中で2つのみ存在する火葬場ガート。
ガートはおもに沐浴場、船着場や洗濯場などに使用されますが、火葬場として使用されるものも存在します。
ヒンドゥー教徒は墓を持たず、死後は火葬して遺灰を川に流す習慣があり、特に「遺灰をガンガーに流せば輪廻から解脱できる」と信じられていることから、余命わずかな人がバラナシにやって来て、死を待ちながら留まるケースは多くあるそうです。
火葬場ガートを訪れることはできますが、写真撮影は厳禁。物珍しさに撮影を始めてトラブルになることがあるそうですが、冷静に考えれば、火葬の様子を写真に収めるなど例え近親者でも行わない異様な行為です。
ただ、ガンジス川の遊覧ボートから全景を撮影することは可能で、黒い煙が立ち上る様子は遠くからも確認できるので、ガートの認識は難しくありません。
もうひとつの火葬場は、アッシー・ガートとダシャーシュワメード・ガートの中間あたりにあるハリシュチャンドラ(Harishchandra)・ガートで、マニカルニカー・ガードに比べると小規模なもの。
沐浴中の人々で賑わうガートを歩いていると、突如、真っ黒に焦げた薪が視界に入り、近くにいたインド人に朝には遺体があったことを聞かされて火葬場と知りました。それでなければ通り過ぎてしまうほど、人の行き交う場所に置かれています。
より良い来世を願い、祈りを捧げる沐浴風景と、今しがた人生を終えて荼毘に伏す様子が同じ視界に入る不思議。そして、恐らくこれがバラナシではどこか生と死を傍らに感じる理由。
これらがプライバシーのない喧騒の中で行われることは、日本人の私には到底理解が及ばないものの、なぜかこの混沌に深く惹きつけられてしまうのです。
プジャー(祈祷)
「アールティー」とも呼ばれ、ドラや太鼓の音に合わせて歌のような祈りが響く中で、バラモン(司祭)がガンジス川に向かって蜀台の火を掲げて祈りを捧げる儀式。
プジャーは大小問わず複数のガートで行われますが、最も有名なのはダシャーシュワメード・ガートで日没後に毎晩行われるもの。そして、アッシー・ガートでも大規模なものが毎日の朝晩に行われます。

マハー・クンブ・メーラの影響で大混雑のダシャーシュワメードには近付ける雰囲気ではなかったので、宿泊先から歩いてすぐのアッシーのプジャーを見学。
通常は、複数のバラモンによる大規模なものが行われるのですが、クンブ・メーラの影響なのか、1人のみの簡素なものに変更されていました。
バラモンの向かいに置かれているのは、ワニに乗ったヒンドゥー教の女神「ガンガー(Ganga)」の像。
バラモンが祈りを捧げた蜀台の火にはご利益があるとされ、まるで浅草寺(せんそうじ)さながらみなさん熱心に煙を浴びていました。
ガンジス川の遊覧ボートから朝日を拝む

「ガンガーに昇る朝日は美しい」
そんなことをしみじみと感じたガンジス川の遊覧ボートは、バラナシに来たら外せないアクティビティ。
アッシー・ガートで早朝のプジャーを見学した後、そのまま川岸にいた客引きに声を掛けてボートに乗り込み、薄明るくなり始めたガンジス川へ繰り出します。


遊覧ボートは、ナマステを彷彿とさせる巨大な手の像があるナモー・ガート(Namo ghat)まで北上し、Uターンして再びアッシー・ガートに戻ってきます。最南端のアッシー・ガートからボートに乗ると、端から順にガートを見学できるのが良いところ。(Rs200/約1時間)
複数のガートから大小様々なボートが出ており、川岸には客引きが沢山いるので乗船は難しくありません。また、宿泊先で聞いた話では貸切の小型ボートなど(約Rs1,500)もあるそうです。
ボートは日中や夕方にも出ていますが、バラナシの魅力はガンジス川に昇る真っ赤な朝日と沐浴風景。やはり早朝が断然おすすめです。
インドを訪れるならば、ぜひとも見たいバラナシの朝日、Done ✔︎

Google Street View ガンジス川
インドのドリンク「ラッシー」

言わずと知れたラッシーは、ダヒー(Dahi)と呼ばれるヨーグルトをベースにしたインド定番のドリンク。
バラナシには、アッシー・ガートから徒歩約15分の場所にラッシーの人気店(Pehalwan Lassi)があるとの情報を仕入れたので、早速行ってみることに。
そこはテーブルや椅子はない屋台で、店構えが明らかに違うものの同じ名前の店がなぜか3件並んでいます。オリジナルが繁盛してコピーが出てきたのか、もはやどれがオリジナルかもわかりませんが一番賑わっていた左端の店でオーダー。

練乳ベースのデザート「ラブリ(Rabri)」をかけた素焼きカップ入りのラッシーは、添えられた木のスプーンでいただきます。
日本でもよくある飲むヨーグルトのような軽めのものや、シェイクのような重めのものなど、ラッシーは店によって千差万別ですが、この繁盛店のものは軽すぎず、重すぎず、ちょうど良い塩梅。
ただ、この1ヶ月半のインド旅における私の中の ”ラッシー・オブ・ザ・ベスト” はアムリトサルのパンジャーブ料理店(Bade Bhai Ka Brothers Dhaba)で飲んだラッシー。濃厚でありながらも甘すぎず、そしてどこか奥深いその味には感動を覚えました。
実は、ラッシーはアムリトサルのあるパンジャーブ州が発祥地とされており、ヨーグルトではなくバターミルクベースで作ることがあるそうで、それが味を濃厚にさせていたのかもしれません。
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