【イナリ】フィンランド北部の大自然でトナカイにも遭遇!快適な夏の終わりのオーロラ鑑賞_#86

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ヘルシンキ(Helsinki)
 ヴァンター国際空港(HEL)

  ↓  飛行機(約1時間30分)

イヴァロ(Ivalo)
 イヴァロ空港(IVL)

  ↓  シャトルバス(約40分/€30)

イナリ(Inari)
 Wilderness Hotel Inari(宿泊先)


NOTE
・シャトルバスはWEBサイト(Visit Inari)より予約(タクシー会社「Ilmari Slant ky」を利用)

イナリ

ラップランド(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ロシアの4ヶ国にまたがり、サーミ人と呼ばれる民族が住む北極圏の地域)に位置する小さな村。

イナリはオーロラが出現しやすい範囲(緯度60〜70度)とされるオーロラベルトに位置しており、また、フィンランドで3番目に大きい湖「イナリ湖」にも面することから、湖が凍結する前の夏の終わり〜秋にかけて ”湖面に映るダブルオーロラを観測できるスポット” として知られています。

イナリのベストシーズンは?

Best!:6〜8月 
Good:5〜9月 

気候の詳細をチェック

今回の旅(2024年8月)= ベストシーズン

<ざっくりと言えば...>
日本の秋の終わりのような涼しさ。昼間はウィンドブレーカーを羽織れば快適に過ごせますが、朝晩はかなり冷え込むので、軽いダウンなどの上着は必須です。

<8月のイナリ>
  平均最高気温:15℃
  平均最低気温:7℃
  降水量:約65mm

<8月の東京>
  平均最高気温:31℃
  平均最低気温:23℃
  降水量:約155mm

ホテル「Wilderness Hotel Inari」

今回宿泊した「Wilderness Hotel Inari」は、2017年にオープンした比較的新しいホテル。

イナリの繁華街からは離れたイナリ湖のほとりにあり、周辺に明かりが少ないことから部屋を出てすぐにオーロラ観測ができるホテルとしても知られます。

MEMO

ラップランドにチェーン展開する「Wilderness Hotel」は以下の地域にもホテルがあり、湖や川の近くなど自然の中に立地することが特徴。

・Nellim(ネリム)
・Muotka(ムオツカ)
・Nangu(ナング)
・Juutua(ジュトゥア)
・Saariselkä(サーリセルカ)※2025年OPEN予定

北欧のモダンさとラップランドの伝統的なデザインが内装の随所に見られる素敵なホテルで、レストランの窓ガラス越しに広がるイナリ湖の絶景はまるで絵画のよう。

敷地内にトナカイが現れることもしばしばあります。首輪をした放牧されているものや、何も付けていない野生らしきものもいたりしますが、いずれも人をあまり警戒しないマイペースなトナカイ。

ホテルからイナリの繁華街までは、徒歩約40分。

繁華街といってもスーパーとレストラン、ギフトショップ、カルチャーセンターのみの小さな村ですが、日中はホテルにいてもあまりすることがないので、何もない一本道を散歩がてら歩いてみると良い暇つぶしになります。

イナリ村への道
イナリ村

夏のオーロラ鑑賞

オーロラが見られる絶対条件は、空が暗く、雲がないこと。昼夜問わず発生しているものですが、日中は空が明るすぎて基本的に肉眼で見ることはできません。

オーロラがよく出現するオーロラベルト(緯度60〜70度あたり)に位置する北極圏では、5〜8月頃は白夜(太陽が沈まない、もしくは沈んでも薄明が続く)になることから、この時期もオーロラを見ることはできず、おのずとオーロラ=冬のイメージとなります。

ただ、白夜の終わりである8月中旬頃からは日が落ち始め、8月末になると21時頃に日没して薄明るい状態が続いた後、24時頃には空が完全に暗くなり、3〜4時頃まで暗闇が訪れます。夏の終わりで気温も大きく下がらないため、実は快適にオーロラ観測ができる穴場の時期なのです。

オーロラとは?

太陽から吹き出す太陽風(プラズマ)が地球の北極(S極)と南極(N極)に引き寄せられ、大気圏に突入する際にプラズマ(電気の粒子)と大気(酸素や窒素の粒子)が衝突することで光を放つ現象。

オーロラの光にはいくつかの色があり、プラズマの持つエネルギーの大きさによって変わります。

エネルギーの小さなプラズマは大気を突き抜ける力が弱く、高い高度で大気と衝突します。小さなエネルギーを受け取った酸素は赤く光るため、高度約400〜200kmのオーロラは赤色に見えます。

エネルギーの大きなプラズマは高度200km以下まで届き、大気と衝突します。大きなエネルギーを受け取った酸素は緑に光るため、高度約200〜100kmのオーロラは緑色に見えます。

また、プラズマは窒素にも衝突して光を放ちます。

高度100km以上では酸素が放つ光に負けて目立ちませんが、より低い高度まで届くような大きなエネルギーを持ったプラズマは、窒素と衝突して青やピンクに光るため、高度約100km以下のオーロラは紫色やピンク色に見えます。ただ、ここまでのものが地球に届くことは少なく、見られることは非常に稀。

今となっては科学的に証明されていますが、それを知らなければ様々な色の光を放ちながら暗い夜空を彩るオーロラは実に神秘的で、その名前はローマ神話に登場する ”暁の女神” アウローラ(Aurōra)に由来するとされています。

鑑賞 1日目

日中は清々しいほどの晴天でしたが、夜になるにつれて曇りがちに。

空の低い位置に雲が広がっている状態なのできっと大丈夫、と言い聞かせて夜を待ちます。

22:30頃

日没は21:00頃ですが、見ての通り薄明の状態が続いています。オーロラ鑑賞にはまだまだ明るいので、一度部屋に戻って待機。

23:30頃

かなり暗くなり、湖の向こうから月が昇ってきました。そろそろオーロラ鑑賞の始まりですが、空の低い位置にあった雲が気付けば広範囲に。

気温は10℃に満たないくらい。パーカーの上にウルトラライトダウンを着ていればそこまで寒くはないので、外に出たままひたすらオーロラを待ちます。

24:00頃

曇りがちではあるものの晴れ間もあり、雲の間からは割と綺麗に星も見える空模様でしたが、この後もオーロラは一向に発生せず。

1日目のオーロラ鑑賞、終了。

鑑賞 2日目

昨日に比べると日中はかなり曇りがちで、夕方からはあいにくの雨。

オーロラ鑑賞は絶望的に思えましたが、1:00頃に雨が上がったので、雲で覆われた空の下ですが、わずかな期待を胸に外へ出ました。

2:30頃

西の空がなんだか明るい。低い位置にオレンジ色、その上には薄いオーロラのような緑とピンクの光も見えるような。火事なのか?でも、サイレンらしき音も聞こえない、ただただ静かな夜。

実はこれ、町の灯りが雲に反射しているだけらしく、その上のオーロラらしきものも気のせいでした。

2日目のオーロラ鑑賞、終了。

結果

8月末、イナリに3日間滞在して湖に映るダブルオーロラを狙いましたが、ダブルはもとよりオーロラ単体すら見ることは叶わず。

日中は晴れていても夜は曇ったりと、1日の間に天気がとても変わりやすい印象を受けました。

それから、北欧の冬はマイナス10〜20℃ほどで、北米(マイナス30〜40℃ほど)に比べてあまり気温が下がらないことで知られていますが、その理由は曇りが多いからとされており、雲によって地上の熱が放出されず、気温も下がらないのです。

雲はオーロラ鑑賞における天敵。どれだけオーロラが爆発しようとも雲の下からは見ることはできません。

ただ、晴れていてもオーロラが発生しなければ見ることはできないので、結局のところ運次第ではありますが、1日でも長く滞在してまずは晴れ間を狙うことがオーロラ鑑賞の可能性を高めることは言うまでもありません。

オーロラ遭遇率を高める!?おすすめアプリ

寒くない時期であれば、星空を眺めつつひたすらオーロラを待つのも良いですが、アプリを利用すればオーロラ鑑賞はより効率的なものになります。

My Aurora Forecast & Alerts

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「My Aurora Forecast & Alerts」は、オーロラが発生中の地域をマップで確認でき、また、現在の位置情報を提供することで、オーロラの発生が見込まれる場合にアラートで教えてくれるアプリ。

SpaceWeatherLive

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「SpaceWeatherLive」は、地磁気の強さ(オーロラの強さ)を相対的に表示するKp値(Kp-index)を確認できるアプリ。Kp値の範囲は0~9で、9が最大級レベルでオーロラが最も強い状態。3日間のKp値予報も併せて確認できます。

  360°ストリートビュー:イナリ

イナリ湖


イナリ村

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