まず初めに!今回の旅(日本 → エジプト)について
【アスワン】ナイル川での風まかせのファルーカ(帆船)乗船もおすすめ!誇り高きヌビア人の住む街_#84
【移動】ルクソール → ギザ
ルクソール(Luxor)
ルクソール国際空港
↓ エジプト航空(1時間)
カイロ(Cairo)
カイロ国際空港
↓ Uber(約50分/345E£)
The Gate Hotel Pyramids(宿泊先)
NOTE
・宿泊先は「Booking.com」にて予約
カイロのベストシーズンは?
Best!:3〜4月、10〜11月
Good:9〜5月
今回の旅(2023年10月)= ベストシーズン!
<ざっくりと言えば...>
日差しが強いのでそれなりに暑いですが、湿度は低いので日陰に入れば比較的過ごしやすい気候。
ただし、日が暮れると肌寒くなるので上着は必須です。
<10月のカイロ>
平均最高気温:29℃
平均最低気温:18℃
降水量:約0mm
<10月の東京>
平均最高気温:22℃
平均最低気温:14℃
降水量:約160mm
カイロでは配車アプリ「Uber」が利用可能
エジプトのタクシーはぼったくりが多いので、カイロ周辺など利用できる場所ではUberの利用がおすすめですが、一筋縄ではいかないのがエジプトです。
カード払いで配車すると「現金払いにしてほしい」とメッセージを送ってくるドライバーが多く、現金払いにならなければキャンセルされることもしばしば。
現金払いにこだわるのは到着時に乗車料を余分に請求しようとしている証拠なので、結果的にタクシーと変わりません。カード払いで乗車することを強くおすすめします。
再度配車を依頼すれば良いので、現金払いを強く要求される場合にはさっさとキャンセルしてしまいましょう。
Uber(ウーバー):タクシーが呼べるタクシー配車アプリ
Uber Technologies, Inc.無料posted withアプリーチ
カイロ以外ではUberの利用はできない(2023年10月時点)ので、アスワンやルクソールなどではタクシーの利用が避けられませんが、その場合は乗車前に必ず料金を確認しましょう。
目的地に着いてから乗車料にプラスしてチップ(バクシーシ)を要求されることもあるので、チップを含めた金額であると明確にしておくことも重要。
それにも関わらずチップを要求するドライバーもいますが、最初に決めた金額のみを支払ってタクシーを降りてしまえば問題ありません。はっきりしない態度が一番良くないので、毅然とした態度で対応することが大切です。
ギザ
首都カイロに隣接し、エジプトのランドマークである三大ピラミッドがあるため、エジプトに来る観光客は必ず訪れる有名な街。
ギザには石灰岩の岩盤が広がる台地があったことから、巨大なピラミッド建設に最適な土地として選ばれたそう。
また、三大ピラミッドのみならず、ギザからダハシュール(カイロから南に約40kmの町)にかけては、古王国時代に建てられたピラミッドが点在しており、まとめて世界遺産に登録されています。
正式名称:メンフィスとその墓地遺跡 ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯
登録年/種別:1979年/文化遺産
【世界遺産】ギザの三大ピラミッド
遡ること約4,500年、古王国時代に建設された ”親子3代の王の墓” とされるギザの三大ピラミッド。
太陽崇拝が行われていた古代エジプトでは、ナイル川を挟んで日が昇る東岸は ”生者の世界”、日が沈む西岸は ”死者の世界” と考えられていたため、西岸に建設されたピラミッドは王墓とされていますが、実はどのピラミッドからも王のミイラや副葬品は発見されておらず、王墓に見られるような壁画もありません。
また、同じ王が複数のピラミッドを建設している事例から「ピラミッドは王墓ではない」と断言する学者もおり、建設目的や方法なども解明されていないピラミッドはいまだ多くの謎に包まれています。
施設情報
2023年10月時点の情報
※頻繁に値上がるので参考程度に
移動方法
The Gate Hotel Pyramids(宿泊先)
↓ 徒歩(約1分)
チケット売場( 入場料 360E£)
↓
カフラー王の河岸神殿
↓
大スフィンクス
↓
カフラー王のピラミッド
↓
クフ王のピラミッド
↓
ピラミッド内部(約30分/ 入場料 600E£)
↓
メンカウラー王のピラミッド
↓
ラクダの溜まり場(大スフィンクス付近)
↓ Camel ride(約1時間/往復 400E£)
パノラマビュー
NOTE
・10:00〜16:00頃(水曜)に訪問
・12:00前にピラミッド内部訪問:混雑なし
・混雑レベル:クフ王>カフラー王>メンカウラー王
クフ王のピラミッド
第4王朝のファラオ「クフ」によって建設されたピラミッド。
傾斜角度=51度50分
高さ=約146m(現在は約137m)
三大ピラミッドの中で最も古く、一番大きなピラミッドであることから ”ギザの大ピラミッド” とも呼ばれ、唯一現存する古代世界の七不思議のひとつとされています。
平均2.5tの石を約200〜300万個積み上げ、約6,000人の労働者によって20年以上の歳月をかけて建設したとされるクフ王のピラミッド。
ギザにはピラミッド・タウンと呼ばれる労働者の住居の跡地が発見されており、建設に携わった人々はこの町に住んでいたと考えられています。
いわゆる奴隷による強制労働を想像するのではないかと思いますが、実際は現物支給による報酬が支払われており、私たちが想像するよりも ”ホワイトな労働環境” であったそう。
また、ナイル川の氾濫期(アケト)に農業ができない人々のための公共事業であったのではないかという考えも存在します。
現在のピラミッドは石を積み上げた階段状の外観ですが、完成当初は化粧石(良質な石灰岩)で全体が覆われ、太陽光を反射させた ”白く輝く四角錐” であったとされています。
後にカイロの街を作るための建材として剥がされてしまったため、現在は一部がピラミッドの底部分に残るのみですが、その片鱗を見ることができます。
ちなみに、ピラミッドの基礎部分に使用した石灰岩の大半はギザ周辺から切り出されましたが、化粧石はナイル川を挟んだ東岸の町トゥーラから採石して運び込んだものと考えられています。
上の写真は ”クフ王のピラミッドが最も美しく見える角度” として知られる場所。南東方向から見上げたもので、確かにこの位置から見ると斜面が綺麗な一直線を描いています。
そして、そのすぐ隣には小さなピラミッドが3つあり、これらは王妃たちのピラミッドと呼ばれるクフ王の母・妻たちのために建設されたもの。
母「ヘテプヘレス1世」、最初の妻「メリタテス1世」、2番目もしくは3番目の妻「ヘヌトセン」のピラミッドが北から順に並んでいます。
クフ王のピラミッド内部に潜入!
クフ王のピラミッド内部には、地下の間(地下30m)、女王の間(地上30m)、王の間(地上43m)の3つの部屋があり、「王の間」のみ観光客に公開されています。
「王の間」は王を埋葬するための玄室(げんしつ)として使用されたと考えられますが、謎が残るのは他にも存在する2つの部屋。
玄室は地下に置かれるのが王墓の通常であることから、当初は「地下の間」を玄室にする予定だったものの何らかの理由で予定を変更、「女王の間」を作った後にもさらに変更して「王の間」を作ったと考えられています。
内部への入口はピラミッドの北側にあり、上の写真で数人が集まっているあたり。
この入口は、9世紀頃にイスラム王朝のカリフ(指導者)「アル・マムーン」によって盗掘のためにダイナマイトで開けられたもの。本来の入口は写真中央の山型の石が見える部分ですが、盗掘用のものが観光客用の入口として使用されています。
入口からは、トンネル → 上昇通路 → 大回廊 → 王の間 へ順を追って進んでいきます。
長さ約40mの上昇通路の幅は約1mの狭い通路。身を屈めて進まなければならず、また「王の間」から出てくる人ともすれ違うため、進むのがハードなエリアです。
そんな上昇通路を抜けると、高さ約9m、長さ約47mの大回廊へ。
天井に近付くにつれて徐々に壁が狭くなる ”持ち送り構造” と呼ばれる技術が用いられており、これは重力を分散させるためのもの。
この先に「王の間」が待ち受けているのですが、ライトアップ効果もあってかどこか厳かな雰囲気が漂う空間です。
王の間
広さは約50㎡、天井の高さは約6m。
花崗岩で作られた室内に壁画や装飾はなく、至ってシンプルな玄室。新王国時代の歴代ファラオの王墓が集まるルクソールの王家の谷に見られるものとは雰囲気が大きく異なります。
古王国時代と新王国時代には1,000年程の差があるため、時代による違いも考えられますが、これほどまでに巨大なピラミッドを建設したファラオの玄室にしてはシンプルすぎるという感想が正直なところ。
室内には、エジプト南部のヌビア地方の町アスワンから運び込まれた花崗岩で作られた石棺がありますが、ここからクフ王のミイラは見つかっていません。
天井には建設中に入ったとみられる亀裂が一部あることや、ミイラのみならず副葬品も発見されていないことから、実は「王の間」も玄室として使用されることはなく、どこか別の場所にあるのではないかという説が存在します。
最新のテクノロジーでは「王の間」よりも高い位置に空間があることが既に判明しており、その空間こそが玄室と考えるものや、はたまたピラミッドとはまったく別の場所にあるというものなど諸説あり、いまだ未盗掘である可能性さえも無きにしもあらずなのです。
「王の間」を訪れて最も驚いたのは、蒸し暑さ!
室内の南北には、オリオン座とりゅう座に焦点が当たるように設計された小さな通気孔がありますが、空気の循環はほぼ皆無なので、室内はとにかく蒸し暑くてサウナのよう。
それから、12:00〜13:00は内部見学が一時中断するので要注意。
今回は11:40頃に入り、12:00過ぎに出てきましたが、この時間帯は後から入ってくる人がほぼおらず、狭い通路の移動も比較的快適になるので狙い目です。
カフラー王のピラミッド
クフ王の息子である第4王朝のファラオ「カフラー」によって建設されたピラミッド。
傾斜角度=53度10分
高さ=約143m(現在は約136m)
三大ピラミッドの中央に位置し、クフ王のピラミッドに次ぐ2番目の大きさではありますが、高台に建設されているため実際は一番高く見えます。
完成当初はピラミッド全体を覆っていたとされる化粧石(良質な石灰岩)が頂上部分に残っており、保存状態の良さから ”エジプトで最も美しいピラミッド” と称されます。
ピラミッドの北側に一部残されている花崗岩。
カフラー王のピラミッド表面は、クフ王のものと同様にその大半が石灰岩で覆われて白く輝いていましたが、下から2列目あたりまでは花崗岩が使用されたため、少し赤っぽい色をしていたと考えられています。
ピラミッドと聞くとこの四角錐を想像しますが、実は単体で成り立つものではありません。
ピラミッド本体に加えて、河岸神殿、参道、葬祭神殿、衛星ピラミッド、王妃のピラミッドなど複数の要素で構成されており、これらをまとめてピラミッド・コンプレックスと呼びます。
カフラー王のピラミッドは、他の2つのピラミッドに比べて保存状態が良く、その構造が一番良くわかる状態で残されていることもまた特徴です。
カフラー王の河岸神殿
河岸神殿はピラミッド・コンプレックスの入口にあたる場所。その名の通り河岸に建てられるものなので、建設当初にはこの辺りまでナイル川が流れていたことがわかります。
太陽崇拝が行われていた古代エジプトでは、ナイル川を挟んで日が昇る東岸は ”生者の世界”、日が沈む西岸は ”死者の世界” と考えられていました。
そのため、西岸すぐの場所に置かれた河岸神殿は ”現世と来世の境界” とされ、ミイラ作りもこの場所で行われたそうです。
神殿内は装飾もなくシンプルな空間ですが、広間には一定間隔に23個の窪みが見られます。
当時ここにはカフラー王の座像がひとつずつ設置されており、現在はそのうちのひとつがカイロのエジプト考古学博物館に展示されていて、実際に見学することができます。
大スフィンクス
スフィンクスとは ”人間の顔とライオンの体を持つ神聖な存在” であり、ファラオや神を守護するシンボル的なもの。
エジプト各地にスフィンスは存在しますが、その中で最も有名なのはカフラー王によって作られたこの大スフィンクス。天然の岩山を削り出したもので、一枚岩としては世界最大(高さ約20m)の石像です。
太陽信仰に基づいて東を向いており、また夏至の日には大スフィンクスの背後(クフ王とカフラー王のピラミッドの間)に太陽が沈むように配置されています。
ファラオや貴族が被っていたネメス頭巾姿のスフィンクスの顔は、建設者であるカフラー王がモデルとされています。
よく見ると鼻が破損しており、これは1797年にフランスの皇帝「ナポレオン」がギザを訪れた際、仏軍がスフィンクスを標的に大砲を打ち込んだという話から、 ”ナポレオンの仕業” として広く知られています。
実際は、14世紀には既にイエメンのイスラム原理主義者によって破壊されており、彼らがエジプトを侵略した際に、偶像崇拝を禁止するイスラムの教えに反するとして鼻を削り落としてしまったそうです。
メンカウラー王のピラミッド
カフラー王の息子である第4王朝のファラオ「メンカウラー」によって建設されたピラミッド。
傾斜角度=51度20分
高さ=約65m(現在は約62m)
三大ピラミッドの中で一番最後に建てられたもので、クフやカフラーのものと比べて半分以下の高さの小さなピラミッド。
この時代になると王朝は強大な権力を失いつつあったため、財政難によって規模が縮小されたと考えられていますが、一説にはピラミッド建設に適したギザの台地に限りがあったことも理由とされています。
完成当初にピラミッド全体を覆っていた化粧石は、頂上から4分の3には石灰岩が、残りは花崗岩が使用されていたため、上側は白く、下側は赤っぽい色の ”ツートンカラー” だったと考えられています。
1837年には、イギリスの軍人「ハワード・ヴァイス」が玄室の石棺内にミイラの一部を発見したのですが、イギリスへの輸送中に荒天により船が沈んでしまったため、それがメンカウラーのものであったのかは結局不明なまま。
また、彼はピラミッドの入口を見つけるためにダイナマイトで爆破するという荒業を行い、ピラミッドの北側にある大きな窪みはその際にできたものです。
ラクダに乗ってパノラマビューへ!
三大ピラミッドに来たら外せないのは、ギザの砂漠をラクダに乗って楽しみつつ、ピラミッドを一望できるパノラマビューを訪れるアクティビティ、キャメルライド。
ピラミッド周辺を歩けばラクダ使いのおじさんたちに声をかけられるので、ラクダに乗ることはそう難しくないですが、大スフィンクス側の入口付近に ”ラクダの休憩所” のようなエリアがあり、そこに行けば確実に乗ることができます。
ただし、キャメルライドはトラブルが多いことで知られているため、料金確認には注意が必要。
最初は安い金額を提示されて、最後にチップ(バクシーシ)を含んだ高額を請求されるトラブルが多発しているので、必ずチップを含んだ金額を確認することが重要です。
約30分ラクダに揺られて、パノラマビューに到着。
ひとつひとつが巨大な三大ピラミッドなので、ピラミッドの近くで同じ画角に入れるのは至難の業ですが、ここまで来ればしっかり画角に収めることができて絶好の撮影スポット。
青い空とギザの砂漠に佇むピラミッド。その外観は当時とは異なるものの、4,500年前の古代エジプト人も似たような景色を眺めていたのかと思うと、感慨深ささえ感じてしまう眺めです。
こうして地上から見るとただ横に並べたように見えますが、実は上空から見るとオリオン座の ”三ツ星” と同じ配置をしている三大ピラミッド。
また、クフ王のピラミッドの「王の間」には、三ツ星の左下の星(ゼータ星)に焦点が当たるように設計された小さな通気孔があります。
古代エジプトでは、オリオン座はエジプト神話の ”死と復活の神” オシリスに見立てられており、死去したファラオの魂はこの通気孔を通ってオシリスの元に帰るものと考えられたそうです。
ライトアップしたピラミッド!音と光のショー
”死者の世界” に沈む夕日。
エジプト神話的に言えば、 ”太陽神” ラーに死が訪れ、冥界へと旅立つ時間です。
エジプト神話?
「事前に知れば旅をもっと楽しめる!「古代エジプト」とは?「エジプト神話」とは?_#93」をチェックしてみよう!
三大ピラミッドでは毎晩(19:30/20:30) ”音と光のショー” が開催されます。
カフラー王の河岸神殿の壁面に古代エジプトにまつわる映像が映し出され、ストーリーに合わせてピラミッドがライトアップされるというもので、チケットを購入すれば神殿前に設置された座席から間近で鑑賞できます。
ただ、チケットを支払ってまで見るほどではないというのが正直な感想。
今回は、大スフィンクス側の入口すぐのホテル(The Gate Hotel Pyramids)に滞在し、テラスからはピラミッドはもちろん神殿に映し出される映像も遠目に見ることができました。
周辺には他にも多くのホテルがあるので、ピラミッドが見えるホテルに宿泊してそこから見るくらいがおすすめ。それだけで十分に楽しめます。
360°ストリートビュー:ギザ
クフ王のピラミッド
クフ王のピラミッド(内部)
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