まず初めに!今回の旅(日本 → ベトナム)について
【ホイアン】ベトナム人にも人気の観光スポット!カラフルなランタンが夜空を彩る世界遺産の町_#76
ダナンのベストシーズンは?
Best!:2月〜5月
Good:1月〜8月
今回の旅(2023年1月)= オンシーズン!
<ざっくりと言えば...>
雨や曇りの日は肌寒いですが、太陽が出れば気温が上がりTシャツ1枚でもOK!
1月下旬にもなると雨が降り続く日は少なくなり、屋外観光するにも比較的過ごしやすい気候です。
<1月のダナン>
平均最高気温:24℃
平均最低気温:19℃
降水量:約95mm
<1月の東京>
平均最高気温:10℃
平均最低気温:1℃
降水量:約50mm
リンウン寺
ダナン中心部から車で約20分の距離にあるリンウン寺は、マーブルマウンテン(五行山)に次ぐダナンのパワースポット!
この辺りはソンチャ半島(Sơn Trà)と呼ばれ、大都市近郊にありながらも自然保護区とされる場所。半島全体が山になっており、広大な原生林の中には希少な植物や絶滅危惧種に指定される動物が生息しているのです。
そんな自然豊かな山の中腹に建てられたリンウン寺。実はダナンには「リンウン寺」と名乗る寺院が他にも2つ存在しており、 ”ダナンの三大パワースポット” として街を囲むように配置されています。
その場所とは、
① Chùa Linh Ứng Bãi Bụt(ソンチャ半島)
② Chùa Linh Ứng Ngũ Hành Sơn(五行山)
③ Chùa Linh Ứng Bà Nà(バーナーヒルズ)
最も古くて歴史あるのは②のリンウン寺(五行山)で、19世紀の阮朝時代に建てられたもの。他の2つは2000年以降に建てられた比較的新しい建物です。
阮(グエン)朝とは?
→1802年〜1945年に存在した王朝で、都は中部のフエに置かれた。初代皇帝の阮福暎(グエン・フク・アイン)によって初めてベトナム全土を統一した王朝であると同時に、ベトナム最後の王朝でもある。
ソンチャ半島のリンウン寺はバイブット(Bãi Bụt)と呼ばれ、ベトナム語で ”仏の砂浜” という意味があります。
名前の由来は、その昔に地元の漁民が砂浜に流れ着いた仏像を見つけ、その仏像を祀るための社を建てたところ、海が穏やかになり、安心して漁ができた(長い間平和に商売を続けられた)という伝説から。
その ”社” の場所こそが、現在のリンウン寺であるそうです。
実際の敷地は案内図で見るよりも広めで、写真を撮りつつすべてをゆっくりと見て回る場合の所要時間は約1時間〜1時間30分。
ちなみに、2023年1月時点でリンウン寺の入場料は無料です。
本堂(Chánh Diện)
ソンチャ半島の豊かな自然に溶け込むような翡翠色の屋根が美しい本堂。
本堂やその裏手の建物にはブッダ(釈迦)などの仏像が複数安置されており、熱心に祈りを捧げる現地の人々の姿が見られます。
また、本堂前に広がる庭園には日本風景さながらの盆栽の数々、その両脇には本堂のブッダをお守りするがごとく18羅漢(らかん)の仏像が並べられています。
羅漢とは?
→阿羅漢(あらかん)の略称で、一切の煩悩を断ち、悟りに達した聖者のこと。ブッダには多くの弟子がおり、その中で最も位の高い弟子に与えられる称号。
仏教施設を訪れるとブッダや釈迦などの言葉をよく耳にしますが、その意味をご存知でしょうか?
ブッダ(Buddha)とは元々、サンスクリット語で ”目覚めた人(悟りを開いた人)” を意味する言葉で、後に中国で「仏陀」という漢字で記され、これを省略して「仏」と呼ぶようになりました。
遡ること今から約2500年。古代インドの小国「釈迦族(シャーキヤ族)」の王子として生まれた釈迦(本名はゴータマ=シッダールタ)は、様々な修行を経てブッダガヤ(Bodh Gaya)の菩提樹の下で悟りを開きます。
そこから「ブッダ」と呼ばれるようになった釈迦は、悟りに達するための教えを修行者たちに説き、それがまた人々に説かれることでやがて仏教が成立し、釈迦は ”仏教の開祖” として認識されるようになるのです。
そんな釈迦は「釈迦如来」と呼ばれることもありますが、如来とは ”真如から来た者” という意味。仏の中での最高位で ”真如(真理)を得て悟りを開いた仏” を指すので、ブッダとほぼ同意義として扱われます。
また、如来は「王子であった釈迦が装飾品を外して衣一枚のみで出家し、苦行を経て悟りを得た時の姿」がモデルなので、仏像などは質素な身なりで表現されるのが特徴。
ちなみに、悟りに達したとされる羅漢はブッダ(如来)ではないのか?という疑問が湧くと思いますが、これはあくまで「小乗仏教」における悟り。
大乗仏教が衆生(すべての生き物)の救済を目的とするのに対し、小乗仏教は個人の救済を目的とするため流派が異なるのですが、ブッダになるためには「大乗仏教」の仏の悟りを開くことが重要なのです。
レディブッダ(Quán Âm Phật Bái)
高さ67mの巨大な観音菩薩像 ”レディブッダ” は、リンウン寺のランドマーク。
ベトナム国内で最大級かつ、2010年に創建されたものなので見た目も新しい仏像です。
観音菩薩とは?
→観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)の略称で、人々の苦しみの声を聴いて救う仏。
如来になる(悟りを開く)ために修行中の身なので、救いを求める人をすぐに助けに行けるよう、立ち姿で表現されるのが基本。また、「古代インドの王子だった釈迦が悟りを開く前の姿」がモデルのため、華やかな衣装・装身品を身につけているのが特徴。
青い空によく映える真っ白なレディブッダの足元に咲くのは蓮の花。
蓮華座(れんげざ)と呼ばれるよく見られるモチーフで、仏教において蓮の花は重要な象徴です。その理由は、蓮の花は沼などの濁った泥の中から美しい花を咲かせるから。
泥を人間の煩悩や苦しみが存在する ”迷いの世界(この世)" に、咲いた花は泥に染まらない ”悟りの世界” に見立て、仏教が理想とするあり方を説くことができるのです。
レディブッタが見守る先に広がるのはダナンの街と海。
強力な台風に度々見舞われるダナンを災害から守るため、街と海を見渡せる高台に建てられたそう。真っ白で巨大な像は、逆にダナン中心部のミーケビーチ(Bãi biển Mỹ Khê)からも姿を確認できます。
レディブッダの手前で楽しそうに笑う布袋様。
名前の由来にもなったとされる背中に乗せた大きな袋には ”幸運” が詰まっているそうですが、実際の中身を知る人は誰もいないとか。
日本では七福神のひとりであり、いつも笑顔で人々と関わった ”笑門来福の神” ですが、中国では ”弥勒如来の化身” として知られています。
弥勒(みろく)とは?
→「釈迦如来の入滅(死去)から56億7000万年後にこの世に現れ、悟りを開き人々を救済する」と信じられている菩薩。ブッダ(如来)になることを約束されているため、弥勒如来とも呼ばれる。
元々、布袋様のモデルは中国に実在した「契此(かいし)」と呼ばれる僧侶。
とても謎めいた人物として知られ、雪の日でも彼の周りには雪が積もらなかったり、亡くなった後に遠く離れた地で何度も目撃されたことがあったとか。
また、彼には予知能力があり、出会った人々のその先の人生が見えていたことから、遠い未来からやってきた弥勒如来の化身と考えられたそうです。
タムクアン門(Công Tam Quan)
タムクアンとは、ベトナム仏教を象徴する伝統的な門のスタイル。
中央に大きな門、その両側に小さな門がある3つの通路が特徴で、これは仏教の思想である空観・仮観・中観を表しているそうです。
・空観 → すべての存在には ”不変的・固定的な実体はない=空(くう)” と考える
・仮観 → すべての存在は ”因縁によって仮に存在するもの” と考える
・中観 → すべての存在は ”空や仮をふまえた上で、絶対のもの” と考える
釈迦が修行者に初めて説いた教えのひとつに中道(ちゅうどう)と呼ばれるものがあります。
「 ”有る、無い” と考えるような極端な物の見方を離れ、”有るのでもなく、無いのでもない” というどちらにも偏らない道を歩みなさい」というもので、これは中観と同じことを説いていたと考えられています。
また、タムクアンには他にも異なる捉え方があり、それは空・無相・無願の3つの境地から解脱して悟りを開く三解脱門(さんげだつもん)と呼ばれるもの。
・空 → 一切を空(くう)と考える
・無相 → 一切に差別の相はないと考える
・無願 → 一切の執着を離れ、願求の念を捨てる
これらの意味を理解した時に、怒りや憎しみ、苦しみを取り除き、魂に平和を見つけることができるというものです。
1階建てでコンパクトなこのタムクアンは、もうひとつの入口。
2階建ての巨大なタムクアンは本堂へ入るための門で、こちらはレディブッダの敷地に続く門ですが、封鎖されておりくぐることはできず。
その代わりに人の通りがないので、撮影には打ってつけ。屋根の翡翠色と柱の青色が背景に広がる自然と調和して絵になる景観です。
ちなみにこの門の隣には、ダナンの海と街が一望できる見晴らしの良い展望スポットがあります。
ソンチャ半島は多くの猿が生息していることから、別名 ”モンキーマウンテン” と呼ばれています。
中でもニホンザルによく似たアカゲザルは、リンウン寺に顔を出すこともしばしば。人懐っこい性格なので、大勢の観光客で辺りが騒がしくてもマイペースに行ったり来たりしています。
また、ソンチャ半島は ”世界で最も美しい猿” とされるアカアシドゥクラングールが生息することでも知られる場所。
美しいと称される理由は、体の部位によって違う5色の毛並み。遠目に見るとまるで人形のようで、顔は ”ちょっと濃いめ” のファンデーションを塗ったような整った色をしています。
ただ、絶滅危惧種に指定されており生息数が少なく、基本的に木の上で生活していて地上に下りることもほとんどないため、遭遇することはあまりないそう。
サーロイ塔(Bảo Tháp Xá Lợi)と涅槃仏像(phật nằm)
本堂やレディブッダのある敷地から、駐車場を挟んで少し離れた場所にある六角形の九重塔。
マーブルマウンテン(五行山)のサーロイ塔を凌ぐ高さで、その手前には ”ベトナム仏教の伝統的な門” であるタムクアンと涅槃仏像も見られます。
涅槃(ねはん)とは?
→すべての煩悩の火が消えて悟りに達し、苦悩や輪廻から解放された最高の境地のことで、釈迦の入滅(死去)も意味する。サンスクリット語では「ニルヴァーナ(Nirvana)」と呼ぶ。
釈迦が入滅する様子を表現した涅槃仏像は ”寝釈迦” とも呼ばれ、目を閉じたもの(既に入滅した姿)と目を開いたもの(最後の説法をする姿)があります。
最も有名な涅槃仏像といえば、バンコク(タイ)最古の寺院であるワット・ポー(Wat Pho)にある全長46m × 高さ15mの黄金に輝く巨大な仏像。
涅槃仏像の足元にまわると、足裏に丸い紋様が刻まれていることがわかります。
ブッダの足裏には ”輪形の相(千輻輪)” が現れていたとされており、仏教用語では「足下二輪相(そくげにりんそう)」と呼びます。他にも「足下安平立相(そくげあんぴょうりゅうそう)」という足裏が平ら=扁平足という特徴もあります。
この2つの特徴を含め、ブッダの身体には32の特徴である ”仏の三十二相” なるものがあり、仏像などはそれに忠実に作成されるのです。
ダナンの街と海。
本堂やレディブッダのある敷地の方がメインなのでこちらは素通りする人も多く、人が少なめでゆっくりできます。木陰に入れば、吹き抜ける風が爽やかな1月の終わり。
マーブルマウンテン(五行山)の影に隠れがちですが、ソンチャ半島のリンウン寺もダナンに来たらぜひ訪れたいスポット。特に晴れた日は、清々しいこの景色に癒されること間違いなしです。
移動方法
ダナン(Da Nang)
HAIAN Riverfront Hotel Da Nang(宿泊先)
↓ Grab(約20分/150.000 ₫)
リンウン寺(Chùa Linh Ứng)
NOTE
・Grabとは配車アプリ(東南アジア版のUber)
360°ストリートビュー:リンウン寺
本堂・レディブッダ・タムクアン門
サーロイ塔と涅槃仏像
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