まず初めに!今回の旅(日本 → フィンランド)について
【ヘルシンキ】トラムに乗って観光スポットの教会巡り!マーケットに寄って新鮮な魚介も堪能_#84
サウナ
サウナの歴史
近年では日本でもブームが訪れていますが、サウナはフィンランドが発祥地。
サウナ(Sauna)という言葉もフィンランド語に由来するもので、諸説あるため明確な起源は解明されていませんが、サウナの歴史は紀元前6000年にも遡ると考えられています。
その始まりは、ダグアウトサウナと呼ばれるもの。
地面に掘った穴を木の骨組みと動物の皮などで覆った「テントサウナ」のような形状で、穴の中に熱した石を置き、水を投入して蒸気を作り、温度や湿度を調整するというもので、ロウリュ(löyly)の原型が既に存在していたそう。
当時の人々は狩猟をしながら転々としていたため、組み立てや解体が容易な形状のサウナを使用していたと考えられています。
フィンランドのサウナ
サウナはフィンランド人の生活に深く根付くもので、公共サウナのみならず、ホテルや集合住宅、一戸建ての住宅にさえごく普通に設置されています。
日本ではサウナ後に水風呂に入ることで得られる ”ととのう” にフォーカスが当てられていますが、フィンランドにおけるサウナは、じっくりと体を温めながら、家族や友達などとリラックスしたり、おしゃべりを楽しむための憩いの場。
日本には必ずある水風呂はないので、サウナ後はシャワーを浴びるのが通常ですが、そこは大自然に囲まれたフィンランド!立地によっては、湖、海、雪の中に飛び込んだりと、もはや水風呂を超えるクールダウンを楽しめます。
フィンランドでもサウナに入る前にはまずシャワーを浴びるのがマナー。サウナでは入口に置いてあるサウナシートやタオルを敷いて座るのもマナーですが、敷いていない人も割といます。
また、白樺の枝葉を束にしたヴィヒタ(vihta)で体を叩いて発汗作用を促すのもフィンランド流で有名ですが、葉が落ちたり、叩く時の風が周囲の迷惑になるといった理由で公共サウナでは禁止されていることが多く、確かに使用する人は見かけませんでした。
都会サウナ:Allas Sea Pool
ヘルシンキ中心部の港沿いにあるサウナ「Allas Sea Pool(アラッス・シー・プール)」はアクセス抜群なので、観光の合間に手軽に楽しみたい方におすすめ。
フィンランドによくある電気ストーブサウナ(約60〜80℃で高湿のウェットサウナ)がひとつのみですが、窓からは港が見え、外気浴も都会のど真ん中で楽しめます。(ちなみに、日本によくあるのは遠赤外線ヒーターサウナ(約80〜100℃で低湿のドライサウナ))
屋外には、25mプール、温水プール、海水プールの3つが併設されており ”バルト海でクールダウンができるサウナ” でもあります。
そして、隣の敷地にある観覧車「スカイウィール・ヘルシンキ」にはなんと!サウナ仕様のゴンドラが設置されています。要予約の貸切で、ヘルシンキの街並みを上空から楽しめてしまう贅沢サウナ。
施設情報
時間:↑クリック>Visit Allas>Pools and Saunas>Opening hours
料金:↑クリック>Visit Allas>Pools and Saunas>Tickets
自然サウナ:Kuusijärvi
ヘルシンキ中央駅の隣のバスターミナルから市バスに乗って約1時間のサウナ「Kuusijärvi(クーシャルヴィ)」は、湖や森林が広がる自然に囲まれたサウナを楽しみたい方におすすめ。
森林公園の中にあるサウナで、Kuusijärviとは湖の名前。そのほとりに伝統的なスモークサウナが設置されています。
小屋で薪を焚き、煙と熱を充満させて室内を温め、煙を外に出してから入るサウナで、長らくメジャーな方法とされてきましたが、戦後に衰退し、現在はフィンランドにおいてもマイナー。薪の香りや、壁には煤が付いていたりと、昔ながらのサウナ体験ができます。
ただ、スモークサウナは準備に時間がかかり、オープンは午後になるので要注意。午前中はカフェに併設されている電気ストーブサウナのみ利用可能です。
体が温まったら、目の前の湖にダイブ!これぞ、フィンランドの魅力で、冬は雪にダイブ!になります。
日本で定番のサウナ上がりのドリンクといえばオロポ(オロナミンC × ポカリ)ですが、フィンランドではロンケロ(Lonkero)と呼ばれるアルコール飲料が人気。
ジンをグレープフルーツジュースとソーダで割ったもので、度数も低めでフルーティーなので飲みやすく、スーパーなどでも購入できます。
ただ、サウナ後には水分補給が必要なので、アルコール飲料よりもオロポの方が断然、体には良いと思うのが個人的な意見。
施設情報
時間/料金:↑クリック>Facilities and services>Saunas
移動方法
Rautatientori(バスターミナル)
↓ 市バス(約1時間)
Cafe Kuusijärvi
NOTE
・RautatientoriからKuusijärviへ直通するバスはないので、乗り換えや停留所から徒歩移動などが必要となりますが、ルートは複数あります(Google mapsでの検索がおすすめ)
自然の中にあるサウナなので、乗車するバスによっては最寄りのバス停は何もないのどかな場所。その雰囲気に少々不安になりますが、Google mapsを頼りに目的地に向かえば大丈夫です。
360°ストリートビュー:サウナ
Allas Sea Pool
Kuusijärvi
フィンランド料理を知る
イギリス料理と肩を並べるように、フィンランド料理の評判はあまり高くないようですが、個人的な意見としては「フィンランド料理、結構美味しい!」です。
バルト海で獲れる新鮮な魚料理や、ラップランドの伝統であるトナカイ肉料理、広大な森の恵みであるベリーをふんだんに使用したスイーツなど、日本人の口にも合う美味しい料理が楽しめるはずです。
トナカイ肉のソテー
Poronkäristys(ポロンカリストゥス)
フィンランドではスーパーでも購入できるほどメジャーな食材であるトナカイ肉は、高タンパク、低脂質、ジビエでありながらもクセがあまりなく、食べやすいのが特徴です。
トナカイ肉のソテーにマッシュポテト、リンゴンベリーのソース、ピクルスを添えたラップランドの伝統的料理。
淡白なトナカイ肉に甘酸っぱいリンゴンベリーがアクセントになり、よくマッチします。
イナリで滞在したホテル「Wilderness Hotel Inari」のレストランで注文したポロンカリストゥス。
日中にホテルの敷地内を歩き回っていたトナカイが頭に浮かびつつも、美味しくいただきました。
サーモンスープ
Lohikeitto(ロヒケイット)
サーモンの切り身とジャガイモを合わせたクリーミーなスープは、フィンランドの家庭料理。
魚と相性の良いディル(ハーブの一種)を散らし、ライ麦パンを添えるのがフィンランド流の食べ方です。
窓際の席からヘルシンキ大聖堂を眺めつつ、フィンランド料理を楽しめる「Café Engel」で注文したロヒケイット。
ちなみにエンゲル(Engel)とは、ドイツの建築家「カール・エンゲル」のことで、ヘルシンキ大聖堂と大聖堂前の元老院広場や周辺の建造物を設計した人物です。
ミートボール
Lihapullat(リハプッラ)
ミートボールは世界中の国々で食べられていますが、クリーミーなソースとマッシュポテトと合わせるのがフィンランド流のミートボール。
カンピ地区の外れにあり、地元民が集うパブのような雰囲気のレストラン「Ravintola Kannas」で注文したリハプッラ。
ヘルシンキ中心部からは少し離れた場所にありますが、ホテルへの帰り道にあったので寄ってみました。中心部に比べると、割とリーズナブルに美味しいフィンランド料理を楽しめます。
シナモンロール
Korvapuusti(コルヴァプースティ)
隣国スウェーデンが発祥地であるシナモンロール。
北欧には、fika(フィーカ)と呼ばれる「家族や友達、同僚などと甘いものと一緒にコーヒーを飲みながら休憩する」という習慣があり、シナモンロールはそんなフィーカの時間にもよく登場します。
”ヘルシンキ最古の老舗カフェ” である「Ekberg Café」で注文したコルヴァプースティ。
ムーミン作家の「トーベ・ヤンソン」のお気に入りカフェとしても知られています。
ブルーベリータルト
Mustikkapiirakka(ムスティッカピーラッカ)
フィンランドの広大な森には、夏〜秋にかけて大量のベリーが実ります。
よく知られている種類は、ブルーベリー(ビルベリー)、リンゴンベリー、クラウドベリー、ラズベリー、クランベリーなどで、ベリーをふんだんに使ったタルトはフィンランドの夏の定番。
北欧には自然享受権と呼ばれる権利があり、「土地の所有者に損害を与えることなく、植物や動物に敬意を払って行動する限り、すべての人にあらゆる土地への立ち入りや自然環境の享受を認める」というもので、ベリー摘みは夏の風物詩となっています。
窓際の席からヘルシンキ大聖堂を眺めつつ、フィンランド料理を楽しめる「Café Engel」で注文したムスティッカピーラッカ。
ベリーの自然な甘さで食べやすく、そして夏を感じるキラキラ感。夏のフィンランドに来たら、ぜひおすすめしたいスイーツです。
チョコレート
フィンランドを代表するものといえば、Fazer(ファツェル)のチョコレート。
フィンランドのショコラティエ「カール・ファツェル」によって、1891年に菓子店として創業されたファツェルは現在、ベーカリー、カフェ、生活食品など複数事業を手がける大企業へと成長しています。
ファツェルの商品を使用したパティスリーを楽しめるカフェ「Fazer Café」で注文した ”Geisha” ケーキ。
Geisha(芸者)とは、1962年に誕生したファツェルのチョコレート(ミルクチョコとヘーゼルナッツ)で、舞妓をイメージしたピンク色のパッケージが有名です。
世界で一番まずい飴
Salmiakki(サルミアッキ)
薬草の一種であるリコリス(liquorice)から抽出した成分を配合し、塩化アンモニウムを添加したソフトキャンディ。
アンモニア臭と苦味、真っ黒な見た目から「まるでタイヤを食べているよう」と酷評で ”世界で一番まずい飴” とされていますが、フィンランドを始めとする北欧の人々にとっては子どもの頃から慣れ親しんだ美味しい味だそうです。
興味本位で食べてみましたが、想像以上に強烈でした。日本では出会ったことのない何とも言い難い味ですが、薬草なので漢方を飲み慣れている方は割と普通に食べられてしまうかもしれません。
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